平成15年5月1日

松田産業株式会社 
新 代表取締役社長 
松田 芳明 
H15.5.20 就任予定 
(現、代表取締役副社長)

 

新社長ご挨拶

 

株主の皆様には、益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。 
日頃は当社並びに当社株式に対し格別のご厚情を賜り、厚く御礼申し上げます。 

さて、この度当社は、5月1日開催の取締役会において、来る5月20日付をもって代表取締役社長の交代を決議致しました。 
ここに新社長就任に当たり一言ご挨拶申し上げます。 
株主の皆様におかれましては、これを機に倍旧のご支援、ご鞭撻を賜りますよう心よりお願い申し上げます。 


当社は、貴金属・環境・食品という3つの異なる事業を行う「異種混成型企業」として発展して参りました。 

当社は、これまで多角的に業容の拡大を図ると伴に、株式の店頭公開から東証一部上場まで、一歩一歩その階段を昇って参りました。 

これは、創業社長である前社長が強い開拓精神を会社経営の基本に据え、企業としての安定と永続的発展を限りなく追求してきた結果に他なりません。 
今、経営を引き継ぐに当たり真先に思うことは、このような当社が伝統的に培ってきた開拓精神、会社トップとしてのポリシーを堅持しつつ、社業の一層の発展を実現することにより、株主の皆様のご期待にお応えして参りたいということです。 

今後の経営環境は、社会構造や経済構造改革の進展に伴う新たな競争の発生、経済のグローバル化に伴う地政学的な市場対応、さらに顧客の価値観の多様化に対応する新たな商品、技術の開発等々大きな変化が予想されます。今後我々は全く新たな成長の段階に突入するものと認識しなければなりません。 
私は、これからのこの時期を当社における第2の創成期と位置づけ、以下の方針をもって経営に当たる考えです。 

1. 事業戦略 
これまで貴金属・環境・食品と一言で表現していた事業領域をより細かく規定し、選択と集中を行いながら、これまで以上に必然性のある多角化を慎重に推進していく考えです。 
当社の事業は、資源リサイクルと環境保全・安全な食資源の確保といったコンセプトからもわかるように非常に社会ニーズの高い事業であり、まだまだ発展可能性が充分残されております。今後も先行開発者としてのノウハウをもって的確な事業展開を行うことにより、優位性を持って事業を推進していけるものと確信しております。 


2.経営効率の向上 
競争の激化は利益率の低下を招くことは言うまでもありません。今後は利益率の低下に対応する効率的な経営が必要不可欠です。内部管理の効率化、営業・生産活動の効率化、効率的な技術開発など、あらゆる企業活動における効率化を追求していきます。前期から取り組んで参りました全社業務統合システムの導入、ERP化の推進はこの一環として進めるものです。 


3.財務体質の強化 
当社にとり今後も規模の追求は非常に重要と考えます。現在の当社の中期的目標は売上高1,000億円、EPS120円以上を掲げております。直近の状況を見ますと売上げ規模は確実に拡大してきており、ここ数年のうちには現在の事業の延長線上において1,000億円の目標をクリアできると思います。利益目標については、前述のとおり投資採算を重視してより的確な投資を心がけるとともに経営の効率化によるコストダウンを実行し、目標利益の確保に努めて参ります。 
一方、資本効率の重視も重要な経営課題です。現在当社はROE13%を目標として掲げております。利益目標の達成とともに自己資本の充実を図り目標を達成していきたいと考えております。 


4.人材の育成 
企業にとって人材育成は非常に重要な経営課題です。今、先人に学び、高度成長期時代に培ったような「バイタリティ」・「一致団結」といった当社独自の遺伝子教育を強化し、名実ともに少数精鋭を実現したいと考えます。 



前期は、利益面で前々年を大きく下回る実績となる見込みです。食品関連事業における食の安全問題、産地偽装問題による消費低迷、デフレの進行による顧客企業の倒産、貴金属関連事業におけるIT不況と中国を中心とする空洞化の一層の進行、さらに生産部門における環境規制対応のためのコスト増加など、多くの問題が発生しました。これらの一部は一過性とはいえ、われわれの今後の厳しい経営環境をまさに象徴しているものと認識しなければなりません。 


今後は市場の変化に対応する精度の高い経営が求められます。事業の一つ一つを丁寧に詰め切って確実に実行しないことには結果は出ません。 
当然のことではありますが、既存事業を一つ一つ丁寧に再構築すると同時に貴金属、環境、食品に続く第4の事業の創業を目指し努力して参りたいと考えております。 


株主の皆様におかれましては、一層のご支援、ご鞭撻を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。