当社は、子会社を含む企業グループ全体の事業活動などに関する各種のリスクを管理し所管する組織として、TRM(トータルリスクマネジメント)委員会を設置し、企業経営に重大な影響を与えるさまざまなリスクの顕在化を未然に防止するとともに、万一緊急事態が発生した場合には迅速かつ的確な対応を図ります。また、リスク管理体制の構築・運用および評価・教育および訓練などを行い、その結果は取締役会に報告されます。

TRM委員会は、組織単位のリスク管理体制として部門部会および分科会を設置し、主に短期的なリスク管理を実施しています。また、組織横断的かつ中長期的なリスク事項への管理体制として専門部会を設置し、リスクの認識と評価・対策化・モニタリングおよび是正などを計画的に実施しています。

なお、サステナビリティ関連のリスク管理として新たに専門部会の設置を予定しています。

部門部会のリスク認識については、発生頻度・経済的損失影響度・検知度の各要素をそれぞれ5段階で評価し、評価結果の乗数をリスク度評価として定量化し、重要なリスクを識別しています。

また、全社のリスクに関する総括責任者であるTRM委員長は、全社的リスク管理のレビューを実施し、結果は取締役会および監査等委員会に報告されます。

TRM 委員会組織図

事業等の主要なリスク(抜粋)

①主要製品•商品の価格変動
貴金属関連事業が取り扱う製品の生産に用いられる主要原材料は、主に金、銀、白金、パラジウム等の貴金属元素を含有するリサイクル原材料であり、その仕入価格および販売価格は原則として貴金属地金の市場価格に基づいており、価格変動が業績に影響を与える可能性があります。

食品関連事業が取り扱う商品である水産品、畜産品、農産品等の食品加工原材料は、取扱品の大部分が外国産品であり、商品の需給バランスなどにより販売価格が下落した場合は、棚卸資産の評価損等の損失が発生する可能性があり、業績に影響を与える可能性があります。

②法的規制

貴金属関連事業に関連する法的規制が強化された場合においては、それに対処するために、追加の設備投資負担が必要になることがあります。また、産業廃棄物の収集運搬、処理等の事業を行っており、各種法令の遵守が事業継続の大前提となっています。当社グループでは、事業活動およびその他の社会的活動における最高位の社内基準として「松田産業グループ グローバル行動規範」を制定するとともに、コンプライアンスの実現のための取扱いを定めた「コンプイアンス規程」を制定し、経営活動全般にわたるコンプライアンスの実
現に取り組んでいます。

③自然災害•気候変動および感染症拡大等

地震・洪水等の自然災害が発生した場合には、事業活動に影響を与える可能性があります。当社グループでは、大規模災害の発生に備え各種対策を講じていますが、被害を完全に回避できるものではなく、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、気候変動等による異常気象が発生した場合には、当社グループの食品関連事業が取り扱う商品の生産等に影響する可能性があり、業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。加えて、未知の感染症などが拡大した場合には、生産活動等の中断により事業に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、感染症等の大流行に備え在宅勤務等のテレワーク、時差出勤およびシフト勤務などにより社員等の感染予防に努めるとともに、製商品および役務の供給体制整備を図っていますが、社内外での感染拡大に伴う調達や事業活動の停滞・停止により、業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。