自らのアイデアを現場で形にできる喜びがある。
貴金属リサイクル事業部 リサイクル生産部 製錬三課
安全性向上、工期・コスト削減を実現する処理方法を目指して
金属・環境リサイクルの生産拠点となるプラントにおいて、さらなる安全性向上、コスト削減、工期短縮等を実現する原料の処理方法、処理プロセスの検討を担っています。例えば溶けづらい原料が出てきた場合、どういう条件で処理すれば良いか、まず実験室にて少量での試験を行い、処理の条件を確立したのち、次は生産現場の設備で試験を行います。その際、実験室とはスケールが異なるため、結果が変わってくることも。ここでは現場の作業を熟知している方々と意見交換しながら、細かく条件を調整していくことが重要になります。
また、現在力を注いでいるのは、新規処理プロセスの検討です。「現状の処理方法よりも工期・コスト削減ができないか?」という上司からの問いかけに対して、私が「こういう条件であればできるのでは」と提案したことから、任されることに。難易度は高いですが、自身のスキルアップのためにも目標値達成に向けて懸命に取り組んでいる最中です。
今後、重要となる、自国での貴金属リサイクルに携わるために
大学時代は、白金属金属の一つであるRu(ルテニウム)の溶媒抽出の研究に取り組んでいました。その研究を進めていく中、コロナ禍もあって貴金属の価格が高騰するなど世界情勢が悪化。資源が少ない日本において、自国での貴金属リサイクルが重要になってくるのではないかと思いました。そこで志望したリサイクル会社の一社が当社でした。当社に感じた魅力は、貴金属だけでなく、食品も扱っていること。貴金属と食品は違う分野ではありますが、それらの事業の核である地球資源の有効活用を目指している点は共通しています。そこに幅広い分野で社会に貢献するという当社の真摯な姿勢を見ることができ、感銘を受けました。
また、入社の決め手として大きかったのは、選考後、数回にわたって参加した内定者懇親会です。内定者同士、大学での経験や、当社の話をしていくにつれ、仲が深まっていき、みんなと一緒に働きたいという意識が高まりました。
試行錯誤を繰り返した末に目標値を達成した時の達成感
実験室での試験は、大学時代の研究に近いものがありますが、その一方、大きな違いは、実験室で結果を出して、実際に生産現場で適切な処理が実現できるところまで責任を持つこと。そのため目の前で自分が考えたことが実現できることが醍醐味です。適切な処理方法を確立するまでは、試行錯誤の繰り返しで、正直、苦しいと感じることも(苦笑)。しかし、試験を重ねて結果が目標値に近づいていくと、新たな発見や学びの面白さを感じることができます。そして目標値を達成した時は、検討していた時間が長ければ長いほど、得られる達成感が大きくなります。
また、原料の処理方法、処理プロセスの検討に取り組む際、心強いのは、自分のやりたいようにやらせてもらいつつも、上司が進捗を聞いて適切なヒントを出してくれること、そして課を超えて技術者同士で活発な意見交換ができることです。仕事の自由度が高い一方で、サポートも手厚いことに魅力を感じています。
試験の基礎を習得後、着実に技術者としての
スキル・ノウハウを蓄積
入社1年目は毎日が学びの連続でした。まずは現状、自社工場でどのような処理を行っているのか把握しなければ何も始まりません。そこで工場に張りついて、細かい工程を深掘りするとともに、実際にどういう作業を行っているのか、一連の流れを学びました。また同時に実験室での試験の流れを先輩から教わり、その中でICPや蛍光X線など大学で扱っていなかった分析機器の操作を習得しました。
2年目以降は、実際の改善テーマを担当。通常処理では発火してしまう原料の発火抑制溶解方法の検討や、処理難物の安全で工期・コストを考慮した処理方法の検討に取り組み、そこで技術者としての経験を積み重ねました。そして今、挑んでいるのが、新規処理プロセスの検討です。これまで着実に成長できているからこそ、難易度の高いことにもチャレンジできているのだと感じています。
原料の発火抑制溶解方法を確立し、工場の安全性実現に寄与
2年目に通常処理では発火してしまう原料の発火抑制溶解方法の検討を行ったことです。発火の要因は、半導体メーカーのお客様の原料の一つに通常の処理方法では発火してしまうようなものが含まれていたこと。これでは工場の安全性として問題があるということで検討が始まりました。まずは発火の原因をつかみ、次は発火しないようにするにはどうすれば良いか、仮説を立て試験を行いました。
しかし、仮説をもとに安全かつ効率的な溶解を考案し試験を行っても、発火してしまったり、逆に発火はしないが、溶解不足が発生したり……。そこで幾度となく条件の見直しと現場での比較試験を繰り返し、ようやく最適な条件を見出すことができました。試行錯誤の道のりではありましたが、知識・経験共に技術者として大きく成長できましたし、何より現場力の向上に貢献できた事がとてもうれしかったです。
自分が考えたプロセスを反映した設備を
導入し、成果物を形として残したい
現在、取り組んでいる新規処理プロセスの検討を成功させることが目下の目標です。このプロセスが成功したら、新たに装置を導入する必要がありますが、設備投資を行った分、省力化および工期・コスト削減が実現する見込みです。今はまだ調査段階であり、私一人で取り組んでいますが、今後、スケールを上げていった場合はより多くの人が関わってくるようになります。そんなプロジェクトの出発点に自分が主体的に関わっていると思うとワクワクしますね。
このように、これからも自分が考えたプロセスを反映した設備を導入し、成果を形として残していきたい。そのためにはスピードにおいても質においても、さらに対応力を磨いていかなければなりません。当社の強みは、貴金属化成品や加工品の製造・販売、使用済み貴金属の回収・精製まで、一社で対応できる体制があること。この強みを活かして、他には実現できないプロセスを追求していきたいと考えています。
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